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弘前市の大湯石材店のブログです。
弘前市が誇るお寺の並ぶ街、「禅林街(ぜんりんがい)」をご存じでしょうか。
江戸時代から続く由緒ある寺町で、現在も多くの人々に親しまれています。
先日、弘前法人会の広報誌『HIROSAKI縁(えにし)』に、この禅林街のご住職による対談が掲載されていました。
弘前というまち、変わらない風景、そして供養について…。
お三方の言葉を拝読し、日々お墓や供養に携わる私自身も多くの気づきをいただきました。
今回は、弘前市でお寺とのご縁をいただきながらお墓を守っている石材店の立場から、その記事を読んで感じたことを少しご紹介したいと思います。
青森県弘前市・禅林街とは
弘前市茂森町にある「禅林街(ぜんりんがい)」は、江戸時代に二代藩主・津軽信枚(のぶひら)が領内の寺院を集めて整えた、全国でも珍しいお寺の街です。
弘前城から見て「裏鬼門」にあたる場所に曹洞宗の寺院を配置し、藩を護る役割を担ってきました。
その中心には、津軽家の菩提寺である長勝寺があり、重厚な三門や本堂など、国の重要文化財に指定された歴史的建造物が数多く残されています。
禅林街の入口には「黒門」と「赤門」があり、それぞれを起点にまっすぐな参道沿いにお寺が立ち並びます。
黒門から長勝寺まで続く通りには19の寺院、赤門からの通りには12の寺院があり、合わせて30以上の寺が集まる壮観な景観が広がります。
また、禅林街は単なる観光地ではなく、今も地域の檀家さんがご先祖を弔う生活の場でもあります。
お盆やお彼岸には「禅林街渋滞」と呼ばれるほど多くの方々が訪れ、弘前の供養文化を今に伝える重要な場所となっています。
当社でも、これまでに470基を超えるお墓を建立させていただいており、人々の生活を支える大切な場所として古くから続いている街です。
広報誌『縁』のご住職対談を読んで
弘前法人会が発行する広報誌『HIROSAKI縁(えにし)』には、禅林街のご住職お三方による対談が掲載されていました。
テーマは「変わるまち、変わらない風景 禅林街から見る”弘前の可能性”」。
弘前という土地におけるお寺の役割や、供養文化について語られており、とても心に残る内容でした。
変わるまち、変わらない風景
ご住職方が語られていたのは、弘前のまちは時代とともに変わっていく一方で、お寺や禅林街の風景には「変わらないもの」があるということでした。
地域の人々が日々目にする寺院の姿が、安心感や拠り所を与えているのだと改めて感じました。
弘前と供養文化のつながり
また、弘前に根付いた供養文化についてのお話も印象的でした。
供養は単にご先祖を弔う行為にとどまらず、地域の人々をつなぎ、文化を育んできた大切な営みであること。
私たち石材店が日々お墓を建てたり守ったりしていることも、この大きな流れの中の一部なのだと実感しました。
石材店の立場からの共感
日々お客様のお墓に関わる中で、形は変わっても「ご先祖を敬う心」は変わらず受け継がれていることを感じています。
特に、以下のお墓じまいに関するご住職のお考えにはとても共感できました。
親は「もう墓じまいをしたい、子供に迷惑をかけられない」っって言っていますけど「じゃあ、あなたが亡くなった場合どうするんですか?」と聞くと「私のことはどうでもいいんだ」っていうんです。でも結局は誰かがお寺と関わらないといけませんよね。親子で話をしないままだと、いざ亡くなった時には子どもさんから「親から何も聞いていないんです、何も知らなかったです、教えてもらっていいですか?」と言われ、ゼロからのスタートになってしまうところがあるので、話し合ってもらえるのが一番いいのかなとは思います。
(公益社団法人弘前法人会 広報誌『HIROSAKI縁』vol.134 令和7年8月1日発行 p5より引用)
記事を読みながら、つい大きく頷いてしまいました。
対談を読んで考える「お墓じまい」との向き合い方
「跡継ぎに負担をかけたくない」が全体の8割
昨今、「お墓じまい」という言葉がよく話題にのぼります。実際にお問い合わせいただく多くの方が、「跡継ぎに負担をかけたくない」とおっしゃいます。
鎌倉新書が行ったお墓の準備に関する全国調査でも、「跡継ぎに負担をかけたくない」と答えた人は全体の8割にのぼり、この想いは今の時代のニーズを反映しているといえるでしょう。
ですが、「跡継ぎに負担をかけるからお墓じまいが最善」という考え方が、すべてのご家庭に当てはまるわけではありません。
あとから後悔しないためにも、本気でじっくりと考えていただきたいと思います。
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まとめ
今回のご住職の言葉を通して感じたのは、「跡継ぎにかかる負担」とは何かを、もっと丁寧に話し合っていく必要があるということでした。
実際にお客様からは
「若い人はもうこういうことをしないから」
「迷惑をかけたくないから自分の代で終わりにしたい」
といった声をいただく一方で、
「お墓のことがわからないので教えてほしい」
という相談も少なくありません。
つまり、世代を問わず「わからないこと」が不安につながり、家族の中でも話題にしにくい状況があるのだと思います。
ですが、話さないまま決めてしまうと後悔やトラブルにつながることもあります。
大切なのは、ご家族で「何が助かって、何が負担なのか」を確認し合い、納得して進めていくこと。
お墓を守るのか、お墓じまいを選ぶのか、その答えはご家庭ごとに違いますが、どちらの選択も尊重されるべき供養の形です。
菩提寺がある方は、まずはお寺様にご相談いただくことも大切です。
その上で、石材店としてお力になれることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
今回のご住職の言葉を通して、私たちの仕事が「地域の文化を未来につなげる役割」を担っているのだとあらためて感じました。これからも地域の皆様が安心して供養の選択をしていただけるよう、石材店としてできることを続けてまいります。
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※この記事は、公益社団法人弘前法人会の広報誌「HIROSAKI縁えにし」vol.134 令和7年8月1日発行 p2-p6を拝読した上での感想記事です。