【完全版】お墓参りの基本マナー|時期・服装・持ち物・作法からタブーまで徹底解説

「お墓参り、これで本当に合ってる?」

マナー違反をしてしまわないか心配… いつ行けばいいの?服装や持ち物は何を準備したらいい? 宗派による違いや、実はやってはいけないことってあるの?」

このようなお悩みはありませんか?

ご閲覧ありがとうございます。大湯石材店の横山です。

お墓参りは、亡くなった方やご先祖様に感謝を伝える大切な時間です。

供養を通してご自身のルーツや命の繋がりについて思い出すひとときが、皆様の心豊かな生活の一助となることを願っております。

|この記事の要約
  • お墓参りは感謝と供養の時間。形式より心を込めて行うことが大切

  • 時期はお盆・彼岸・命日が一般的、時間帯は午前中が望ましい

  • 服装は清潔感のある地味な普段着でOK(法要時は礼服が基本)

  • 持ち物は掃除道具と供養品(花・線香・ロウソクなど)を忘れずに

  • 作法は地域や宗派で異なるため、事前確認が安心。周囲への配慮も忘れずに

はじめに|お墓参りとは?なぜお墓参りをするの?

|お墓参りとは?

お墓は、多くの方にとって亡くなった方が安らかに眠る場所であり、ご先祖様との絆を感じられる大切な場所です。

お墓参りとは、お墓を訪れて、亡くなった方やご先祖様の冥福を祈り、感謝を伝えて供養を行うことをいいます。

単なる習慣や儀式として捉えられる場合もありますが、以下のように私たちの心と暮らしを豊かにする意味が込められています。

|お墓参りをする理由

・故人・ご先祖様への感謝と供養

お墓参りの最も基本的な意味は、亡くなった方々や遠いご先祖様への感謝の気持ちを伝え、供養を行うことです。私たち自身の心も落ち着きを取り戻すことができます。

・家族の絆を深める機会

お墓参りは、家族や親族が集まり、故人を囲んで語り合う貴重な機会でもあります。

故人の思い出を共有したり、親族同士で近況を報告し合ったりすることで、普段はなかなか顔を合わせられない繋がりを再確認し、深めることができます。

また、お互いの生活を尊重した距離を取りながらも定期的に必要なコミュニケーションを取ることで、コミュニケーション不足による様々なトラブルを防ぐことにも繋がります。

・自身のルーツや命のつながりの再認識

お墓に手を合わせることは、自分がどこから来て、どのようにして今の自分があるのか、自身のルーツや命のつながりを深く感じさせてくれます

ずっと昔から続く命のリレーの中で自分が存在していること=命のつながりを認識することで、改めて生きることへの感謝や、命の大切さ、未来へとつなぐ責任感を育むことができます。

・感謝や報告の場(結婚、出産、就職など)

人生の節目に訪れる喜びの出来事(結婚、出産、入学、卒業、就職、昇進など)の報告をお墓でする方も少なくありません。

これは、ご先祖様への感謝とともに、新しい門出を見守っていただくという気持ちの表れです。

・伝統・文化の次世代への継承

お墓参りの作法や、ご先祖様を大切にする心は、親から子へ、子から孫へと受け継がれていく大切な日本の文化です。子供たちと一緒にお墓参りに行くことで、生命の尊さや先人への敬意、感謝の心を自然と伝えることができます。

1.お墓参りに最適な時期と時間帯

お墓参りは、故人様やご先祖様への感謝の気持ちが最も大切ですので、基本的には「いつ行っても良い」とされています。

その中でも、多くの人が訪れる時期や、より良いとされる時間帯は存在します。これらを知ることで、より心穏やかにお墓参りを行うことができるでしょう。

|一般的なお墓参りのタイミング

お墓参りの時期に厳密なルールはありませんが、多くの方がご先祖様を偲び、お墓を訪れる一般的なタイミングをご紹介します。

・お盆(7月または8月の13日~16日)

ご先祖様の霊が家に戻ってくるとされる期間で、特に大切にされています。地域によって新盆(7月)と旧盆(8月)があります。

・お彼岸(春分・秋分の日を中日とした前後7日間)

お彼岸は春と秋にそれぞれあり、この期間はご先祖様との繋がりが深まるとされています。春は3月の春分の日、秋は9月の秋分の日が中心です。お彼岸は、その年によって日付が変動します。

・故人の命日(祥月命日、月命日、年回忌法要など)

故人が亡くなった日である祥月命日(しょうつきめいにち)や、毎月の命日(月命日)にお参りする方も多いです。一周忌、三回忌などの回忌法要の際にもお墓参りをする場合が多いです。

・年末年始、ゴールデンウィークなどの長期休暇

家族や親戚が集まりやすい長期休暇は、お墓参りの良い機会となります。

・人生の節目(結婚、出産、進学、就職など)

ご自身の大きな出来事を報告するために、お墓参りをするのも素晴らしい供養の形です。

|最適な時間帯

お墓参りに最適な時間帯は、一般的に午前中とされています。

・午前中がおすすめの理由

①清々しい気持ちでお参りできる

まだ日が昇りきらない午前中は、空気も澄んでおり、清々しい気持ちでお参りできます。

②霊園の開園時間内である

多くの霊園や寺院は午前中に開園し、管理事務所も開いています。何か困ったことがあった際にも対応してもらいやすい時間帯です。

③丁寧な掃除ができる

まだ気温が上がりきらないうちに掃除を始めることで、熱中症のリスクを避け、時間をかけて丁寧に墓石を清めることができます。

・午後・夕方のお墓参りの注意点

①明るいうちに終える

午後のお墓参りも可能ですが、日差しが強い時間帯は熱中症に注意が必要です。

また、夕方になるにつれて足元が見えにくくなるため、明るいうちにお参りを終えるようにしましょう。

②混雑

 特にお盆やお彼岸などの時期は、午後に混雑が集中することが多いため、ゆったりとお参りしたい場合は午前中がおすすめです。

・夜のお墓参りは推奨されない理由

①視界の悪さ

墓地や霊園内は、段差がある場合も少なくありません。 暗闇の中では足元が見えにくく、転倒やケガのリスクが高まります。

②安全性

不審者との遭遇や、霊園の閉園時間を過ぎての立ち入りは、防犯上推奨されません。閉門されてしまう可能性や、緊急時の対応が遅れることもあります。

②周囲への配慮

夜間にロウソクや線香の火を使用することは、火事のリスクや他の方への迷惑となる可能性も考慮し、基本的には避けるべきです。

2.お墓参りに行ってはいけない日はある?

お墓参りは、故人様やご先祖様への感謝の気持ちが最も大切ですので、基本的には「いつ行っても良い」とされています。

しかし、中には「この日は避けるべき」と考える人もいます。ここでは、そうした考え方と、実際に避けるべき状況について解説します。

|基本的には「いつ行っても良い」

お墓参りの本質は、ご先祖様を敬い、感謝の気持ちを伝えることにあります。

そのため、明確に「行ってはいけない日」という決まりはありません。ご自身の都合や気持ちが赴くときに、心を込めてお参りすることが何よりも大切です。

|一般的に避けられがちな日と、その理由

特定の日にちでお墓参りを避けるという考え方には、主に六曜や一部の迷信が影響している場合があります。

しかし、これらは仏教や神道の教えに基づくものではなく、あくまで俗信としてとして捉えられているものがほとんどです。例としていくつか紹介します。

・友引(ともびき)の日

六曜の一つで、「友を引く」と書くことから、葬儀を避ける日として知られています。

この影響で、「お墓参りも避けるべきではないか」と考える人がいますが、お墓参りは供養であり、友を冥土に引き寄せるという意味合いは通常ありません。

・仏滅(ぶつめつ)の日

六曜の中で最も縁起が悪いとされる日です。そのため、お墓参りも避けるべきと考える人がいますが、仏滅は仏教とは関係のない考え方であり、仏事には影響しません。

・三隣亡(さんりんぼう)の日

建築関係で特に忌み嫌われる日で、「三軒隣まで滅ぼす」と言われます。お墓参りとは直接関係ありませんが、縁起を気にする人が避ける場合があります。

・大晦日(おおみそか)

年の瀬で忙しい時期であることや、新しい年を迎える準備に集中したいという理由から、お墓参りを避ける人がいます。ちなみに、お住まいの地域によっては、青森県のように冬期間の積雪により霊園や墓地が閉鎖され、物理的にお墓参りが難しい場合もあります。

これらの日は、あくまで世間一般の言い伝えや個人の都合によるものであり、お墓参りをしても何ら問題はありません。大切なのは、お参りする人の気持ちです

|避けるべき実際の状況

迷信とは異なり、実際に安全や健康を考慮して避けるべき状況も存在します。

・悪天候(台風、大雨、積雪など)

足元が滑りやすくなったり、転倒や事故のリスクが高まります 。また、墓地によっては強風で物が飛ばされたり、落雷の危険がある場合もあります。無理をしてお参りに行かず、天候が回復してから訪れましょう

・体調不良時(無理はしない)

ご自身の体調が優れない時は、無理にお墓参りに行く必要はありません 。健康を害してしまっては元も子もありませんし、気持ちを込めてお参りすることも難しくなります。体調が回復してから、改めてお参りするようにしましょう。

・夜間

多くの霊園や寺院には閉園時間があり、時間外の立ち入りは禁止されていることがほとんどです 。

暗闇の中では足元が見えにくく、転倒やケガのリスクが高まります 。

また、霊園の閉園時間を過ぎての立ち入りは、防犯上推奨されません。閉門されてしまう可能性や、緊急時の対応が遅れることもあります。

ご自身の体調や天候、そして霊園の規則を優先し、安全で心穏やかなお墓参りを心がけましょう。

3. お墓参りの服装と身だしなみ

お墓参りでは、故人様やご先祖様への敬意を表すとともに、お墓の掃除なども行います。

気持ちよくお墓参りをするために、TPOに合わせた服装と身だしなみを心がけましょう。

ここでは、どのような服装がふさわしいか、避けるべきものは何かを解説します。

|法要を伴わない場合:普段着でOK

法要(法事)や開眼供養など、特別な儀式が伴わない日常のお墓参りであれば、普段着で問題ありません。故人様への敬意と周りへの配慮として、以下の点を心がけるとさらによいでしょう。

✅故人を偲び、清潔感のある落ち着いた服装を心がける

派手な色柄は避け、黒、紺、グレー、ベージュなどの落ち着いた色合いを選ぶのが基本です。

故人様への敬意を表すとともに、神聖な場所への訪問にふさわしい、清潔で整った印象を与えます。

✅動きやすく、掃除しやすい服装が望ましい

お墓の掃除や水やりなど、体を動かす機会が多く、汗をかくことも多いため、動きやすい服装が適しています。

しゃがんだり腕を動かしたりしても窮屈に感じない素材やデザインで、多少汚れてもかまわない服装を選びましょう。

|避けるべき服装・身だしなみ

気持ちよくスムーズなお墓参りをするために、避けておきたい服装や身だしなみのポイントがあります。以下で確認しておきましょう。

✅派手な色柄、露出の多い服(ノースリーブ、短すぎるスカートやパンツ)

お墓は故人が眠る神聖な場所であり、他の参拝者もいる公共の場です。派手な色柄や肌の露出が多い服装は避け、落ち着いた印象を心がけましょう。

また、墓地には蜂やアブ、蚊などの虫がいることも少なくありません。派手な色柄や大幅な肌の露出は虫に刺されやすくなりますので、ご自身のお肌を守るためにも避けることをおすすめします。

✅歩きにくい靴(ハイヒール、サンダルなど)

墓地は砂利道や坂道が多い場所もあります。ハイヒールやサンダルは歩きにくく、足元が不安定になり転倒のリスクが高まります。スニーカーや歩きやすいパンプスなど、平らで安定した靴を選びましょう。

墓地の足元が整っておらず、汚れやすい場合も少なくありません。あまり汚したくない靴はお墓参りでは避けたほうが、心の平穏を保つためには良いと思います。

✅派手なアクセサリー

ジャラジャラと音を立てるようなアクセサリーや、光沢の強い派手な装飾品は、お墓参りの場では控えるのがマナーです。シンプルなもの、または何もつけない方が良いでしょう。

さらに、猛暑の日は金属製のアクセサリーが熱を持ち、低温やけどのような状態になる危険性があります。また、光る物はカラスなどの鳥が強い興味を示すこともあるため、安全のためにも、過度な装着は控えることをおすすめします。

✅殺生を連想させるもの(毛皮、革製品、アニマル柄など)

動物の毛皮や皮革製品、アニマル柄は、「殺生」を連想させるため、おおむね仏事の場では避けるべきとされています。バッグや靴なども、できるだけ布製のものを選ぶとより丁寧です。

また、掃除の際に汚れてしまう可能性もありますので、大切にしたいお気に入りのバッグは別の機会に使った方がよいかもしれません。

✅香水や香りへの配慮

香りの感じ方は人それぞれ異なるため、香水によっては、他のお参り客の皆様の妨げになったり、故人様やご先祖様へのお供えである線香の香りが感じにくくなったりすることがあります。

そのため、お墓参りの際は、香水のご使用は控えるか、ごく軽めにするのがおすすめです。

4.お墓参りに必要な持ち物リスト

お墓参りをスムーズに、そして気持ちよく行うためには、事前の準備が大切です。

・お墓の掃除やお参りの際に最低限必要な「必須リスト」

・あるとより快適になる「あったら便利リスト」

に分けてご紹介します。

霊園や墓地で貸し出ししているものもありますので、事前に確認するのが良いでしょう。

必須リスト|これだけは持っていきたいもの

お墓参りを滞りなく進めるために、ぜひ準備しておきたいアイテムです。

✅雑巾、タオル

墓石を拭いたり、手を拭いたりする際に使用します。複数枚あると便利です。

✅バケツ、手桶、ひしゃく

お墓を洗う水を汲んだり、墓石に水をかけたりする際に使います。霊園によっては備え付けられている場合もありますが、ない場合に備えて持参すると安心です。

✅ゴミ袋(複数枚)

抜いた雑草や落ち葉、古くなったお供え物などを持ち帰るために必須です。ほとんどの霊園ではゴミを持ち帰るのがルールです。

✅水(掃除用・水分補給用)

バケツや手桶がない場合や、墓地に水場がないでも、ペットボトルに水を入れて持参すると、お墓を清める際やお掃除の際に使うことができて便利です。

また、墓石を洗うための水とは別に、ご自身の水分補給用の飲み物も忘れずに持参しましょう。特に暑い時期は熱中症対策として重要です。

✅線香、ロウソク

故人様への供養の気持ちを表す、お参りの中心的なアイテムです。

風で火が消えたり、飛ばされたり、力加減で折れたり、濡れてしまったり、落としてしまったりすることもあります。今回すべて使わなくても、少し多めに持っていくと安心です。

✅マッチ、ライター

線香やロウソクに火をつけるために必要です。

✅生花

多くの場合、故人様へ供えるお花を持参します。花立に合わせた長さで、以下の点を参考に選ぶと良いでしょう。

お花選びに迷った際は、お花屋さんに「お墓参りに供える花」であることを伝えて相談すると、ふさわしいお花を選んでくれます。

🌸お墓参りに適しているとされる花

菊、カーネーション、キンセンカ、リンドウ、トルコキキョウなど、日持ちが良く、香りが控えめで、手入れがしやすい花が一般的です。

🌸一般的に避ける傾向がある花(ご参考までに)

    • トゲのある花:バラ、アザミなど(「殺生」を連想させるため)

    • 毒のある花: 彼岸花、スズランなど(誤って触れたりすると危険なため)

    • 香りの強い花: カサブランカなど(他のお参り客の迷惑になる可能性があるため)

    • 花びらや花粉が落ちやすい花: 掃除の手間が増えるため

    • 縁起の悪い意味を持つ花: 故人への敬意に欠けるとする考え方があるため

    • ツルがある花: 墓石に絡みつく可能性があるため

故人様が特に好きだったお花や、このお花を供えたいという強い気持ちがある場合は、上記の項目に当てはまる花であっても、心を込めて供えることが何よりも大切です。

ただし、毒のある花、または花びらやツルがお墓周辺にまでかなり散らばって、墓地管理の方にご迷惑をかけてしまう場合など、安全面や実質的な管理の面で懸念がある場合は避けた方が良いでしょう。

あったら便利リスト|さらに快適にするためのアイテム

必須ではありませんが、これらがあればお墓参りがよりスムーズに、快適になります。

✅軍手、ゴム手袋

雑草抜きや墓石の清掃時に手を保護できます。

✅スポンジ、柄付きブラシ、歯ブラシ

墓石を優しく洗うスポンジ、水垢やコケを落とす柄付きブラシ、細かい部分や彫刻の溝をきれいにする歯ブラシなど、用途に応じて選びましょう。

石はデリケートなため、金属製のタワシなどは傷がついてしまい、そこから変色する場合があります。柔らかい素材を選ぶことをおすすめします。

頑固な汚れは無理せず、お墓のプロにクリーニングを依頼してください。

✅ほうき、ちりとり

広範囲の落ち葉や砂などを掃き集める際に役立ちます。

✅マスク、帽子(日差し対策)

砂埃や花粉対策、強い日差しからの熱中症・紫外線対策として有効です。

✅故人が好きだった食べ物や飲み物

故人様を偲んでお供えします。ただし、動物に荒らされたり腐敗したりするのを防ぐため、お供えした後は必ず持ち帰りましょう。個包装されたものや、日持ちのするものが望ましいです。

✅半紙や懐紙

お供え物を墓石に直置きせず、敷物として使うことで、より丁寧な印象になります。

✅数珠

故人様を供養する気持ちを表す道具の一つです。必須ではありませんが、持参することで、より丁寧にお参りする姿勢が伝わります。

✅その他必要に応じて(例:汗拭きシート、虫よけスプレー、ウェットティッシュなど)

季節や天候、個人の状況に合わせて、快適に過ごすためのアイテムを持参しましょう。

状況が限定されますが、草が生い茂っている墓地の場合は草刈り道具、香呂の中にハチの巣が出来ていることがあるので殺虫剤、熊の出没情報がある山あいの地域では熊除けグッズなども念のため準備しておくと安心かもしれません。

5.お墓参りの正しい作法と手順

お墓参りの作法は地域や宗派によって多少異なりますが、故人様への敬意と感謝の気持ちを伝えることが最も大切です。ここでは一般的な手順とマナーをご紹介します。

|寺院墓地の場合は、まず本堂へのお参りを

お寺様が管理する寺院墓地の場合には、まず本堂へのお参りから始めるのが丁寧です。

①まず本堂へのお参り(ご本尊へのご挨拶)

墓地へ向かう前に、まずお寺の本堂にあるご本尊にお参りし、ご挨拶をします。

②(可能であれば)ご住職への挨拶

お寺のご住職がいらっしゃる場合は、可能であれば一言ご挨拶に伺うと良いでしょう。日頃の感謝を伝える良い機会にもなります。
ただし、お盆などの繁忙期はご住職も大変お忙しい時期です。無理に時間を取らせてしまうことのないよう、ご迷惑にならない範囲で配慮しましょう。

|お墓参りの基本手順

ここからは、一般的なお墓参りの手順です。

実際の墓地や状況によっては難しい工程もあると思いますが、出来る範囲で心を込めて丁寧に行いましょう。

①手を清める

墓地の入り口付近にある手水舎や水道で、備え付けのひしゃくを使い、手と口を清めます。これにより、心身を清めてお参りに臨むという意味合いがあります。

②手桶に水を汲む

墓地の水汲み場などで手桶に水を汲みます。この水は、お墓の掃除や新しいお花を生ける際に使います。

③墓前で合掌

お墓に着いたら、すぐに掃除を始めるのではなく、まず墓前にて簡単に手を合わせ、故人様やご先祖様、そしてお墓へのご挨拶として、お参りの許可を得る気持ちで一礼・合掌しましょう。

④周囲の清掃

お墓の区画内にある落ち葉や雑草、ゴミなどを丁寧に取り除きます。周囲の墓石との境目などもきれいにすると良いでしょう。

⑤墓石の清掃

【花立(はなたて)】

    1. 花立に供えられていた枯れ花を処分し、カップに溜まっている古いお水を捨てます。
    2. 花立カップを水できれいに洗います。

【線香立(せんこうたて)、線香皿】

    1. 線香立や線香皿は、石から外せる場合があります。外せるものは外します。(ねじると外れるものもあります。)
    2. 古い線香や、古く固まった砂、灰を捨てます。
    3. 水できれいに洗います。

※石から外せないタイプの金具でも、古い線香や灰のつまりは、細長い棒でつつくと詰まりが取れることがあります。

【ローソク立】

    1. 古いローソクを捨てます。
    2. ローソク立についている古く固まったロウは、マイナスドライバーなどの硬い棒状のものでつつくと取れやすいです。ただし、傷をつけないように慎重に。力強くするときは自己責任です。
    3. 布できれいに拭きとります。

【お墓本体】

    1. 上から水をかけます。
    2. やさしく布やスポンジで水洗いをします。
    3. 彫刻されている文字の部分や細かい溝の汚れは、歯ブラシを使うと丁寧に落とせます。

    4. 洗剤は極力使用せず、お水のみを使用することをおすすめしております。洗剤を使用した場合は(墓石専用のものを推奨)、洗剤成分が残らないよう、しっかりと水で洗い流します。

    5. 最後に乾いた布で拭き上げましょう。

⑥お供え

  • 掃除が終わったら、新しいお供え物をします。
  • 花立に新しく持参した生花を生けます。
  • 水鉢がある場合には新しい水を注ぎます。
  • 故人様が好きだった食べ物や飲み物を供える場合は、半紙や懐紙などを敷いた上に置くようにしましょう。
  • 【NG】墓石に直接、水以外の飲み物(お酒、ジュースなど)をかける行為は避けましょう。シミやカビ、劣化の原因となることがあります。

⑦お参り

  • 準備が整ったら、線香に火を灯し、ロウソクにその火を移します。線香の火は、口で吹き消さずに、手で仰ぐようにして消すのがマナーです。

  • 故人様と縁の深い人から順に、数珠を持っている場合は数珠を持ち、合掌して故人の冥福を祈ったり、近況を報告したりしながらお参りします。

⑧後片付け

  • お参りが終わったら、お供え物(生花と線香以外)は、動物に荒らされたり腐敗して周囲に迷惑をかけたりしないよう、必ず持ち帰りましょう。

  • 持ち込んだゴミも全て持ち帰ります。

  • 使用した掃除道具はきれいに洗い、水気を切ってから片付けましょう。

  • 霊園や寺院から借りた手桶やひしゃくは、元の場所に戻します。

6. お墓参りでのNG行動・タブー集

お墓参りは、故人様への敬意を表し、静かに心を落ち着かせるための時間です。他の参拝者もいる公共の場であることを忘れず、周囲への配慮を心がけましょう。

ここでは、一般的に避けるべき行動やタブーとされる事柄をまとめました。

|一般的なマナー違反

無意識のうちにマナー違反とならないよう、以下の点に注意しましょう。

✅大声で騒ぐ、走り回るなど、他のお参り客の迷惑になる行為

墓地は静粛な場所です。特に小さなお子様連れの場合などは、周りの方々への配慮を忘れないようにしましょう。

✅他家のお墓に無断で立ち入る、物を立てかける

他のお墓は、そのご家庭の大切な場所です。許可なく立ち入ったり、自分の荷物などを立てかけたりするのは避けましょう。

✅墓石に直接、水以外の液体(お酒、ジュースなど)をかける

お供えとして故人が好きだった飲み物を持って行っても、墓石に直接かけるのは避けましょう。シミやカビ、劣化の原因となることがあります。

✅線香の火を口で吹き消す

線香の火を消す際は、手で仰ぐか、軽く振って消すのがマナーとされています。

これは、仏教において口から出る息は不浄とされており、清らかな火を穢さないようにするためです。

✅供物を放置して帰る

お供え物(生花と線香以外)は、動物に荒らされたり、腐敗して周囲に悪臭を放ったりする原因になります。

特に、山あいの地域では熊が来る原因になることもあるので危険です。必ず持ち帰りましょう。

✅喫煙(指定場所以外)

多くの霊園や墓地では、喫煙場所が限られているか、全面禁煙となっています。指定された場所以外での喫煙は厳禁です。

|お供え物に関するNG

故人様への気持ちを込めるお供え物ですが、避けるべき点もあります。

✅トゲや毒のある花、香りの強い花、花びらが散らかりやすい花、ツルがある花

「殺生」を連想させる、危険、他の方の迷惑になる、清掃の妨げになるなどの理由から、一般的に避けるべきとされています。

ただし、故人様が特に好きだった場合は、安全面や管理面での影響を考慮しつつ、心を込めてお供えすることも大切です。

✅生ものなど腐敗しやすいお供え物を放置すること

食べ物や飲み物をお供えしたまま放置すると、腐敗して悪臭を放ったり、虫や動物(熊などを含む)が集まる可能性があり、危険です。必ずお参り後に持ち帰りましょう。

✅束のままのお線香を長時間燃やすこと、ローソクの火を消さずに香呂の扉を閉めること

束のまま線香を立てて長時間燃やし続けると、その熱で墓石がひび割れたり、変色したりする原因となることがあります。燃焼時間を考慮し、適量にしましょう。

また、ローソクや線香を燃やしたまま香呂の扉を閉じると、扉に使用しているガラスが割れることがあります。きちんと手で火を消してから、香呂の扉を閉じて帰るようにしましょう。

|その他のNG

故人様への気持ちを込めるお供え物ですが、避けるべき点もあります。

✅早朝や深夜のお墓参り

霊園の開園時間外であったり、暗闇の中での行動は、安全面でのリスクがあります。また、周囲の住民の方々への迷惑となる可能性もあるため、営業時間内に訪れるのが一般的です。

✅ペット同伴

原則として、ペットを連れてのお墓参りは避けるべきとされています。お墓参りでペット同伴が避けられる理由は、墓地の神聖さを保ち、他の参拝者や環境への配慮、そして安全・衛生上のリスクを避けるためです。

霊園によっては同伴自体が禁止されている場合もありますので、事前に必ず確認しましょう。許可されている場合でも、リードをつけ、決して粗相のないよう細心の注意を払うことをおすすめいたします。

✅お墓での安易な気持ちでの写真撮影

故人様への敬意を払い、安易な気持ちでの撮影は避けましょう。

他のお参り客が映り込まないよう配慮し、個人的な記録として残す程度に留めるのがマナーです。ただし、お墓の修理箇所を記録するためなど、明確な目的がある場合は問題ありません。

その際も、周囲に十分配慮し、霊園の規則がある場合はそれに従いましょう。

✅妊婦さんによるお墓掃除

実際にお問い合わせがあったため、記載しております。

お墓参りの掃除は、中腰での作業や重い水を運ぶなど、想像以上に身体に負担がかかる重労働です。

特に妊婦さんにとっては、転倒のリスクや体調の変化、熱中症など、母子の健康に関わる危険性があります。迷信や「穢れ」といった考え方とは関係なく、安全と健康を最優先し、無理にお墓の掃除を行うことは避けてください。

お墓参り自体はもちろん行っていただいて問題ありませんが、妊婦さんや小さなお子様連れの方、産後すぐの方などは、体調面を考慮し、お墓掃除は周りの方々に代わっていただいたりお休みされたりすることをお勧めいたします。

これも、お墓を次の世代に継いでいくために大切な考え方ではないでしょうか。

7.宗派によるお墓参りの作法の違い

お墓参りの基本的な流れやマナーは共通している部分が多いものの、宗派や地域、ご家庭の慣習によって、細かな作法や考え方に違いがあることをご存知でしょうか。

ここでは、代表的な宗派における一般的な傾向をご紹介しますが、最も大切なのは、ご自身の属する宗派やご先祖様のお墓がある場所の慣習に沿って、敬意を込めてお参りすることです。

最終的には、不安なことはお寺様などにご自身でご確認いただき、行動していただくのが間違いないかと思います。

|仏教各宗派(真言宗、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗など)

仏教の中でも、宗派によってお参りの作法には違いが見られます。

・線香の立て方

線香を立てる本数(1本、3本など)や、寝かせて供えるか立てて供えるかなどが宗派によって異なります。例えば、浄土真宗では線香を立てずに折って香炉に寝かせることが多いとされています。

・お供え物の考え方

お供え物の種類や配置にも、宗派ごとの教えが反映されることがあります。

・数珠の持ち方や念仏

数珠の扱い方や、お参りの際に唱える念仏(南無阿弥陀仏、南無妙法蓮華経など)も宗派によって様々です。

|神道

神道におけるお墓参りは「墓前祭(ぼぜんさい)」と呼ばれ、仏教とは異なる作法で行われます。

・お供え物

米、塩、水、お酒、海産物、山の幸など、神饌(しんせん)と呼ばれるものが供えられます。

・礼拝の作法

「二礼二拍手一礼(二拝二拍手一拝)」という、神社での参拝と同様の作法でお参りします。拍手は音を立てずに行う場合もあります。

・線香は用いない

神道では、仏教で用いる線香やロウソクは使用しません。

|キリスト教

キリスト教には、仏教や神道のような「お墓参りの作法」という厳格な形式はほとんどありません。

・故人を偲ぶ

故人への感謝と祈りを捧げることが中心です。形式よりも、故人を偲ぶ気持ちが重視されます。

・お供え物

花を供えることが多いですが、特定の供物は必須ではありません。ロウソクを灯すこともありますが、線香は使用しません。

・祈り

聖書を読んだり、祈りを捧げたりすることが一般的です。

|宗派や地域の慣習、家の習わしを確認しましょう

上記はあくまで一般的な傾向であり、同じ宗派であっても地域やお寺、ご家庭ごとの慣習によって、具体的な作法が異なる場合があります。

お墓参りを行う際は、事前にご親族の方や、お墓がある寺院の住職・霊園の管理者に確認することをおすすめします。そうすることで、安心して故人様と向き合い、心穏やかにお参りすることができるでしょう。

8. お墓参りに行けない場合の対処法

上記はあくまで一般的な傾向であり、同じ宗派であっても地域やお寺、ご家庭ごとの慣習によって、具体的な作法が異なる場合があります。

お墓参りを行う際は、事前にご親族の方や、お墓がある寺院の住職・霊園の管理者に確認することをおすすめします。そうすることで、安心して故人様と向き合い、心穏やかにお参りすることができるでしょう。

|無理に行く必要はありません

お墓参りに行けないからといって、故人様への供養ができないわけではありません。大切なのは、故人様を思う気持ちそのものです。ご自身の状況を考慮し、無理のない範囲で供養の方法を考えましょう。

|自宅での供養も大切です

お墓参りに行けない場合でも、自宅で故人様を偲び、供養することができます。

・仏壇に手を合わせる

仏壇がある場合は、毎日手を合わせ、故人様への感謝や近況を報告しましょう。お線香をあげたり、お供え物をしたりするのも良いでしょう。

・故人を偲ぶ時間を持つ

仏壇がなくても、故人様の遺影や位牌に向かって手を合わせたり、故人様との思い出を振り返ったりする静かな時間を持つだけでも、立派な供養になります。

・心の中で語りかける

故人様を思い出し、心の中で語りかけることも大切な供養の一つです。

|代行サービスを利用する

  • 遠方に住んでいる、体調がすぐれない、仕事が忙しいなどの理由でお墓参りに行けない場合、お墓参り代行やお墓の掃除代行のサービスを利用するという選択肢もあります。

  • これらのサービスでは、専門の業者がお墓の清掃や献花、お参りなどを代行してくれます。状況によっては、お参りの様子を写真で報告してくれるサービスもありますので、ご自身で足を運べなくても、安心してお墓をきれいに保ち、故人様を偲ぶことができます。

  • 大湯石材店では、青森県内、秋田県北部のお墓参り代行・お掃除代行・お墓のクリーニングのサービスを行っております。気になる方は無料でお見積りいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

|大湯石材店がお客様のお墓を見守ります

私たち大湯石材店では、当店で墓石を建立いただいたお客様には、無料アフターサービスでお墓の「あんしん点検」を実施し、お墓の状態を見守らせていただいております。

完成後も長く安心してご利用いただけるよう、お墓の専門家としてサポートいたしますのでご安心ください。

|墓じまいや永代供養などの選択肢

近年では、お墓の管理が難しい、後継者がいないといった理由から、お墓のあり方を見直す方も増えています。

  • 墓じまい: 現在のお墓を撤去し、遺骨を別の場所に移すことです。

  • 永代供養: 霊園や寺院が遺骨を管理・供養してくれる方法です。合祀墓(ごうしぼ)や納骨堂、樹木葬など、様々な形式があります。

これらの選択肢は、お墓参りに行けない状況が続く場合の長期的な解決策となり得ますが、次の供養の方法によってはその後の供養にかかる費用が一人あたり高額になる場合も考えられます。

ご親族との話し合いや費用、手続きなど、検討すべき点が多いため、慎重に進める必要があります。

まとめ

お墓参りは、故人様やご先祖様への感謝と敬意を表す、私たちにとってかけがえのない大切な機会です。お墓をきれいにし、手を合わせる時間は、日々の忙しさの中で忘れがちな故人様とのつながりを再確認し、静かに心を落ち着かせる大切なひとときとなります。

本記事でご紹介したマナーや作法、持ち物などを参考に、周囲への配慮を忘れずに心穏やかにお参りすることで、家族の絆がより一層深まることでしょう。また、お墓は、ご自身の心の拠り所ともなり、先祖代々受け継がれていく命のつながりを感じさせてくれる場所でもあります。

季節の移ろいやご自身の状況に合わせて、無理のない範囲で大切なお墓参りを続けていきましょう。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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