
「般若心経ってたまに聞くけど、中身はよく知らないなぁ…」
そう思うことはありませんか?
ご覧いただきありがとうございます。
青森県弘前市 大湯石材店のブログです。
先日、夕暮れ時の空があまりに綺麗で、2歳の子供に「お空がきれいだねー」と話していました。
すると、夕日が追いかけてくるように感じたようで、「わー!きた!いくよー!」と、手を繋いで2人で夕日から走って逃げて帰りました。子供の感性とは面白いものですね。
その夕日のきれいな景色も、子供と過ごす時間も、今だけのもので。やがて移り変わっていくものですよね。
こういうのを、般若心経の中にも出てくる「諸行無常(しょぎょうむじょう)」というのかな、と思いました。
般若心経の教えを生活に活かしたら豊かに過ごせるのでは?
「起こったことをそのまま受け止めて、今あるものを楽しんでいこう」
そんな心穏やかな生き方のヒントが、実は般若心経の教えの中に隠されています。
この記事では、堅苦しいイメージのあるお経『般若心経』の教えを、あなたの生活にも役立つわかりやすい現代語訳でご紹介します。
ざっくりでも意味がわかると、面白いと思います。
ぜひ最後までお読みください(*^^*)
般若心経(はんにゃしんぎょう)とは?

数ある中で最も有名なお経のひとつ、『般若心経(はんにゃしんぎょう)』。
正式名称は『魔訶般若波羅蜜多心経(まかはんにゃはらみったしんぎょう)』といいます。
経典の冒頭には、その経が「仏が説いたものである」ことを示す 『仏説(ぶっせつ)』 という言葉が付加されることがあります。
そのため、お経を唱える際や、写経の際には『仏説摩訶般若波羅蜜多心経(ぶっせつまかはんにゃはらみったしんぎょう)』と記されることも多くあります。
タイトルから長いですが…
ああ…!待って!まだ嫌にならないでください!
諦めずに、もう少しお付き合いください。
般若心経は大乗仏教の真髄
わずか262文字の中に大乗仏教の真髄が説かれているとされ、複数の仏教の宗派で経典として使用されています。
例えば、天台宗・真言宗・臨済宗・曹洞宗などでは、般若心経を書き写したり、声に出して読んだり、日々読まれるお経として親しまれています。
空の思想
般若心経では、大乗仏教の「空の思想」というものを説いています。
現代語訳も多く執筆されているのですが、正直難しくて読んでもよくわかりません…。
しかし!
そんなIQ不足の私でもわかるくらい分かりやすい翻訳を見つけました(Г・ω・)г
それがこちら
般若心経の現代語訳(全文)
「超スゲェ楽になれる方法を知りたいか?」から始まる、匿名の名訳
超スゲェ楽になれる方法を知りたいか?
誰でも幸せに生きる方法のヒントだ
もっと力を抜いて楽になるんだ。
苦しみも辛さも全てはいい加減な幻さ、安心しろよ。
この世は空しいモンだ、
痛みも悲しみも最初から空っぽなのさ。
この世は変わり行くモンだ。
苦を楽に変える事だって出来る。
汚れることもありゃ背負い込む事だってある
だから抱え込んだモンを捨てちまう事も出来るはずだ。
この世がどれだけいい加減か分ったか?
苦しみとか病とか、そんなモンにこだわるなよ。
見えてるものにこだわるな。
聞こえるものにしがみつくな。
味や香りなんて人それぞれだろ?
何のアテにもなりゃしない。
揺らぐ心にこだわっちゃダメさ。
それが『無』ってやつさ。
生きてりゃ色々あるさ。
辛いモノを見ないようにするのは難しい。
でも、そんなもんその場に置いて行けよ。
先のことは誰にも見えねぇ。
無理して照らそうとしなくていいのさ。
見えない事を愉しめばいいだろ。
それが生きてる実感ってヤツなんだよ。
正しく生きるのは確かに難しいかもな。
でも、明るく生きるのは誰にだって出来るんだよ。
菩薩として生きるコツがあるんだ、苦しんで生きる必要なんてねえよ。
愉しんで生きる菩薩になれよ。
全く恐れを知らなくなったらロクな事にならねえけどな
適度な恐怖だって生きていくのに役立つモンさ。
勘違いするなよ。
非情になれって言ってるんじゃねえ。
夢や空想や慈悲の心を忘れるな、
それができりゃ涅槃はどこにだってある。
生き方は何も変わらねえ、ただ受け止め方が変わるのさ。
心の余裕を持てば誰でもブッダになれるんだぜ。
この般若を覚えとけ。短い言葉だ。
意味なんて知らなくていい、細けぇことはいいんだよ。
苦しみが小さくなったらそれで上等だろ。
嘘もデタラメも全て認めちまえば苦しみは無くなる、そういうモンなのさ。
今までの前置きは全部忘れても良いぜ。
でも、これだけは覚えとけ。
気が向いたら呟いてみろ。
心の中で唱えるだけでもいいんだぜ。
いいか、耳かっぽじってよく聞けよ?
『唱えよ、心は消え、魂は静まり、全ては此処にあり、全てを越えたものなり。』
『悟りはその時叶うだろう。全てはこの真言に成就する。』
心配すんな。大丈夫だ。
なぜこの現代語訳が心に刺さるのか
私がグッときた般若心経の現代語訳をご紹介してみました。
原文は大幅に変えているものの、原意は留めるようにされているそうです。
十分です。
お経素人の私の心には充分刺さりました。
こんなにもわかりやすく、身構えることもなく、触れることが出来てはじめて、「お経ってこんなこと言ってたんだぁ…元気出るなあ」と思いました。
あなたはどう感じられたでしょうか。
この現代語訳で、般若心経が少しだけ近いものに思えてきたら、
とっつきにくかった仏教が少しやわらかく感じられたら――
せっかくなので、もう少しだけ。
般若心経について知りたくなりませんか?(*^^*)
般若心経とは?|背景と構造を簡単に解説
『般若心経』は、六百巻からなる膨大な仏教の経典の要点を、たった1枚の葉っぱに書けるほど短くまとめたダイジェスト版です。
日本で一般的に知られている般若心経は、西遊記で有名な三蔵法師のモデルである玄奘三蔵(げんじょうさんぞう:唐代の中国の訳経僧)がインドから持ち帰り、翻訳したことが有名です。当時は紙がありませんでしたから、「貝葉(ばいよう)」と呼ばれる平たい木の葉っぱに書いたそうですよ。
この経典は、1400年もの長い歴史をかけて、今もなお多くの人々に読まれ続けています。
また、般若心経は、単なる文章の羅列ではなく、観音菩薩(かんのんぼさつ)が弟子である舎利子(しゃりし)に教えを説くという対話形式で構成されています。
この会話形式で書かれていることで、読者はより身近に教えを感じることができるんだそうです。
「空(くう)」って何?現代に生きる私たちにこそ響く言葉の意味
般若心経の最も大切な教え、それが「空(くう)」の思想です。
「空」という言葉に、あなたはどういうイメージを持ちますか?
うーん
例えば、私がすぐ思いつくのは「空のコップ」のイメージ。
空⇒空っぽ⇒中身が何もない。虚無。英語の「Nothingness」に近い。
でも仏教の「空」の捉え方は少し違って、「すべての存在が、他のものとの関係性や条件によって成り立っている」という考え方をするんだそうです。
ん?
…んん?どういうこと?
空っぽは空っぽじゃないの?

コップと「空」の関係
例えば、目の前にガラスのコップがあるとします。
私たちはこれを「コップ」と認識しています。

しかし、よく考えると、このコップは
・ガラス
・形
・色
・「飲み物を入れる」という用途
これらが組み合わさって初めて「コップ」として存在しています。

もし、これを粉々に砕いてしまえば、「コップ」という形はなくなります。
しかし、ガラスの粒や破片としてそこに存在しています。

このように、すべてのものは、永遠に同じ姿で存在し続ける「実体」を持っていない。すべてのものは、様々な要素が一時的に集まって存在しているに過ぎないというのが「空」の教えです。
何もないのではなく、変化する可能性を常に持っているということです。
五蘊(ごうん)|自分を構成する5つのパーツ
「様々な要素が一時的に集まっている」自分の内訳を5つに分類したものを、五蘊といいます。
これらが一時的に集まったものではなく「永遠に変わらない不変の自分を構成する要素だ」と思うことで執着や苦しみが生まれると、仏教では考えるそうです。
色(しき): 物質的なもの
私たちの体そのもの、外界にある物質(山、川、物など)。
見た目、形、感覚を通して捉えるものです。
受(じゅ): 感覚
五感(見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる)で感じる「快」「不快」「どちらでもない」という心の反応。
例:「美味しいものを食べて嬉しい」「暑いと感じて不快だ」
想(そう): 思考やイメージ
心の中に思い浮かぶイメージや考え。
例:「リンゴの絵を頭に思い浮かべる」「過去の出来事を思い出す」
行(ぎょう): 意思や行動の元
心の奥底にある、行動や感情のきっかけとなるはたらき。
例:「何かをしようと思う気持ち」「人を好きになる気持ち」
識(しき): 意識や認識
対象を「これは何だ」と区別する認識そのもの。五感や思考を統合する心の中心的な働きです。
例:「目の前のものが『リンゴ』だと認識する」
つまり、自分で例えるとこういうことでしょうか?
- 生まれたときの自分は「赤ちゃん」。でもそのうち成長して、「〇〇小学校の〇年〇組〇番」になり、「〇〇の友達」になり。中学生、高校生と育ち、やがて大人に。確かに、物理的に見た目変わりますよね。30代になったら、いつの間にか足にできた青タンが全然治らなくなりました。20代までは治っていたのに。
- 夏は暑いし、冬は寒い。春や秋はちょうどよい気温で気持ち良い。好きなものを食べたらおいしいし、嫌いな食べたものを食べたら不快。確かに。反応変わりますね。
- 音楽や物語を思い浮かべる。過去の思い出に浸る。これも常に変わります。
- 部屋が汚れてきたので掃除をしようという気持ち。親切にしてくれた人に感謝する気持ち。これも一定にはなりませんね。
- 目の前にあるものが「スマホ」だと認識すること。携帯がいつの間にか「ガラケー」と呼ばれるようになったように、いつかもっと違う認識になるかもしれませんね。
- もしかしたら少しずれていることもあるかもしれませんが…
こんなふうに、「自分」という存在も時によって変化続けているし、相対的な複数の認識からなるものだ、ということなんでしょうかね?
だから、目の前の悩み事にあまりくよくよしすぎても良くないよ、と。
「空」を知ることは、「すべては移り変わるものだ」と理解し、何かに執着しすぎることなく、心穏やかに生きるための智慧を与えてくれるものかもしれません。
この現代語訳に隠された仏教の智慧とは?どうやって生活に活かすの?
般若心経は、単なるお経ではなく私たちが抱える悩みや苦しみを乗り越え、心豊かに生きるための実践的な智慧が詰まっていることがわかってきました。
1. 執着を手放し、心を軽くする
「空」の思想は、永遠に変わらないものはないという真理を教えてくれます。お金、地位、人間関係、そして幸せな時間も、いつか必ず変化します。この事実を理解することで、失うことへの恐れや、手に入らないことへの苦しみから心が解放されます。
2. 変化を柔軟に受け止める
私たちは、人生の計画通りにいかなかったり、予期せぬ困難に直面すると、心が乱れがちです。しかし、すべてのものは「無常(常に移り変わる)」と知っていれば、変化を恐れるのではなく、自然なこととして受け止められます。この受容の心が、どんな状況でもしなやかに生きる力を与えてくれます。
3. 自分と他者への慈悲を育む
「空」は、自分という固定された実体がないことを示します。これは、他者との間に明確な境界線がないことを意味し、自分と他者が深く繋がっていることを教えてくれます。この視点を持つことで、他者への慈悲の心が自然に育まれ、すべての人やものに優しくなれるのです。
このように、般若心経の教えは、物事の本質を見抜くことで、私たちの心を穏やかにし、どんな時代でも豊かに生きるための羅針盤となってくれます。
FAQ
般若心経について調べたことを一問一答でまとめてみました。
Q: 般若心経はなぜ有名なの?
Q: 現代語訳が複数あるのはなぜ?
般若心経は誰のためにあるの?
まとめ
いかがでしたか?
難しく聞こえる般若心経ですが、できる限りわかりやすく解説してみました。
普段の生活のなかに取り入れてちょっと元気になるエッセンスとして取り入れてみるのもいいかもしれません。
少しでもあなたのお役に立ちましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
こちらの記事で、般若心経の全文(読み仮名付き)をご紹介しています。