おはようございます。
本日は『浄土宗』についてお話したいと思います。
浄土宗の宗祖法然は、長承2年(1133)美作国に生まれました。幼くして父を失った法然は遺言にしたがって仏の道を志します。叔父の観覚のもとで仏教を学んだ後、比叡山東塔西谷功徳院の皇円のもとで出家します。しかし、当時の比叡山は僧侶達が権力闘争に明け暮れる状況にありました。
そこで法然は、比叡山のなかでも真摯に仏道を求める僧侶が集う西塔の黒谷別所で慈眼房叡空に入門します。それから25年間、救いの道を求めて苦悶しながら、ひたすら仏道を追い求めます。
そしてついに43歳の時、善導大師の「一心に阿弥陀仏の名をたたえて念仏を唱えれば極楽往生できる」という教えに触れ、浄土宗を開宗します。
この「念仏を唱えれば救われる」という教えはまたたくまに広まりました。しかし、既成宗派から「伝統的な仏教を否定するもの」として弾圧を受け、讃岐に流罪になります。後に許されて京都へ戻り、現在の知恩院の地で80歳の生涯を閉じます。法然の死後、弟子たちによって浄土宗はさらに広まってゆきました。
阿弥陀如来の救いを信じ、南無阿弥陀仏を唱えていると、心も体も清らかになり、人生を心豊かに生きぬき、死後浄土に生まれて仏さまになることができるのです。
浄土に生まれれば、いつまでも浄土に居られるのですが、仏さまとしてこの世に帰ってきて、まだ救われない人々を救うこともできるというのが、浄土宗の教えです。