おはようございます。
本日は『曹洞宗』についてお話したいと思います。
8世紀初め頃の中国の禅僧である洞山良价の「洞」と、その弟子である曹山本寂の「曹」をとって「曹洞」としたのが、曹洞宗の名の由来だと言われています。
我が国に曹洞宗を開いた道元は、正治2年(1200)内大臣久我通親の子として京に生まれました。幼くして両親を失った道元は、13歳の時に比叡山に上り、天台教学を学びます。
しかし、天台宗に疑問を抱き、18歳で建仁寺に栄西を訪ねます。そして貞応2年(1223)に中国に渡り、如浄を師として曹洞禅を学びました。
身心脱落の境地を得て帰国した道元は、宇治に興聖寺を開きます。その後、越前に移り永平寺を建て、自らの理想とする正伝の仏法の提唱と弟子の養成につとめました。
道元から四代目にあたる瑩山は、多くの優れた弟子を養成しながら大衆教化にもつとめ、現在、日本最大の寺院数を誇る曹洞宗の素地をつくりました。
曹洞宗では道元を宗派の父、瑩山を母にたとえ、良祖と仰いでいます。
曹洞宗の修行の基本は坐禅です。
修行は坐禅だけには限りませんが、ただひたすらに坐禅を行うこと(只管打座)を最も重要に考えます。そして、坐禅の心とすがたで、日常生活を生きてゆく(即心是仏)ことを説きます。
坐禅の力は、必ず個人生活・社会生活に現れてきます。つまり坐禅と日常生活は一つ(禅戒一如)なのです。
ですから日常生活を大切にして、今、ここで生きているかけがえのない命を事実のままに生きることこそが、修行であり、この自己の修行がそのまま仏の行であると教えています。