おはようございます。
本日は、お墓にまつわる豆知識第三弾‼
『喪服はどうして黒なのか』についてお話ししたいと思います。
仏事に際して喪服を着用する機会も多いと思いますが、どうして喪服が黒いのか、ご存知ですか?
実は喪服はもともと白でした。正確に言うと、日本の長い歴史の中で 白 → 黒 → 白 → 黒 と変化しているのです。
「日本書紀」などの古代の文献によると、当時の喪服は白であったと記されています。しかし平安時代に入り、養老喪葬令(ようろうそうそうりょう)で「天皇は直系二親等以上の喪の際には、墨染めの色を着用する事」と定められると、貴族の間で黒い喪服が少しづつ広まりました。
ところが室町時代に入り、再び白い喪服が復活します。
その理由は未だ解明されていませんが、手間がかかる墨染めを避け白を守り続けていた庶民の伝統が、貴族文化の影響力が薄れてきた室町時代に上流階級にも復活したのではないか、という一説があります。
このように基本的には「喪服は白」という伝統が根付いていた日本ですが、それが崩れたのは明治時代に入ってからのことです。
明治維新をきっかけに欧米諸国の黒い喪服が日本にも登場し、明治30年の皇室の葬儀の際に、政府が列強諸国の国賓の目を気にして黒に統一されました。その後、皇室の喪服は黒と正式に規定されたのです。それでも、一般庶民が黒い喪服を着用するようになったのは更に先の話になります。
第二次世界大戦中に戦死者を送る葬儀が多くなり喪服の需要が増えると、貸衣装店は白に比べて汚れが目立たない、黒い喪服を揃えるようになりました。
その手入れのしやすさから戦後は急速に黒い喪服が広がり、やがて「喪服は黒」という常識が根付いたのです。